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過去の大賞情報

第18回スニーカー大賞《秋》

第18回スニーカー大賞《秋》


総評
 今回、最終選考に残った作品は、SFロボット・戦闘メカものであったり、あるいは強烈なインパクトで物語が始まる独特な設定であったりと、今のライトノベル市場の流行や売れ筋を意識した内容だと感じました。その中で、より高いクオリティに仕上がっていた2作品の受賞となりました。

魔装学園H×Hハイブリッド・ハート(受賞時タイトル:ソウルシンクロマシン) 久慈マサムネ(受賞時ペンネーム:十蔵)

あらすじ
 個人用兵器「ソウルシンクロマシン」が普及し、そのバトルがショーになった時代。メカニックとして養成学校に入った本丸は、天才的パイロットの蘭と出会う。反りが合わないふたりだったが、公式戦でライバルと戦うためにコンビを組む。


選評
  ストーリー運び、まとめ方に評価が集まりました。また女性キャラクターを魅力的に描く熱心さも伝わります。ただ、肝心のヒロインの好感度が低いのがもったいない。また既存作品に近しい部分もあるので、新しいアイデアが欲しかったところです。



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刊行時あらすじ
 姉からの呼び出しで戦略防衛学園アタラクシアを訪れた飛弾傷無は、魔導兵器《HHG》を操る女の子・愛音と出会う。傷無は愛音と偶然Hなハプニングに巻き込まれるが、その直後に愛音がパワーアップして!?

特設ページ

俺と彼女の青春論争ノイジー・ゲーム(受賞時タイトル:押忍!! かたれ部) 喜多見かなた

あらすじ
 気が弱く、友達もいない鬼山拳は、高校入学を機に自分を変えようと、空手部の入部を決意。ところが、勘違いから「かたれ部」に入ってしまう。しかし、一対一で自分の「痛さ」を語り、競い合うこの部活では、拳はスーパールーキーとして歓迎される。


選評
 独自のネタをコンセプトに、学園青春ものらしい仕上がりになっていました。キャラクターの個性も際立たせていたと思います。主人公の心理描写は丁寧なものの、物語展開に驚きや意外性が乏しく、全体的に大人しい印象になっていました。



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刊行時あらすじ
 14歳で人生をドロップアウトした高志は、灰色の高校生活を送ることを決意。ところが同じクラスの全力少女・向原玲に、謎の部活「かたれ部」の活動に巻き込まれてしまう。高志と彼女の青春論争が開幕!?


第18回スニーカー大賞《春》

第18回スニーカー大賞《春》


総評
 最終選考に残った作品は、いずれもバトルがストーリーの見せ場でありながら、その戦う目的・理由がキャラクターに根ざしており、各作品ごとにまったく違う読み心地となっていました。それぞれ長所短所はありましたが、作品としてのポテンシャルが高い2作品の受賞が決まりました。

インヴィジョン・ワールド(受賞時タイトル:エピデミックゲージ) 相川黒介

あらすじ
 10年前落下した隕石のために隔離された浜斗市では、異能を持った者が出現し、犯罪が横行していた。市内に住む不良少年・拓は、いきなり現れた超能力者犯罪捜査部の美沙に強引に捜査協力させられ、連続テロ事件の情報を集めることになるのだが――。


選評
 大がかりな設定や特殊な舞台、異能バトルなど、ライトノベルを好む読者を意識していたと思います。物語の展開もしっかりと描けていました。ただ、読者が驚くような新しさに欠けていると感じました。他にある異能バトルものと明確な差異を作り、しっかり見せられれば、より作品としての魅力がアップするでしょう。



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刊行時あらすじ
 イメージを現実化する夢の技術「SAR」。だが十数年前のある日、このシステムが暴走し、世界中の主要都市に謎の電脳迷宮が誕生した。神凪遥斗と緋桜杏奈の二人はSAR能力を駆使して電脳迷宮に挑むが!?

終焉世界の天災姫レベリオン(受賞時タイトル:世界の正しい壊し方) 三ノ神龍司

あらすじ
 予知能力を持つがゆえに監禁されていた『聖女』セイヴィアを救い出したのは、『天災』と恐れられるテロリストの少女・琴代だった。「さぁ、世界を壊そう!」と勢いづく琴代と彼女の癖のある仲間に戸惑いつつも、故郷を目指して旅を始めるセイヴィアだったが!?


選評
「世界を壊そう」というスケールの大きさ、破天荒さに高い評価が集まりました。キャラクターたちの独特な性格にも魅力がありましたが、全体的に説明不足だったり、描ききれていない部分が多く、物語を掴みきれなかった印象があります。自分のベストパフォーマンスとその為の枠組みを見極めることが大事だと思います。



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刊行時あらすじ
 世界を襲う《禍獣》と呼ばれる異形の種と戦う陰陽徒を目指す九鬼不動は、災害と呼ばれる問題児。ある日の討伐中、不思議な力を持つ少女・ヒナと出逢ったことから、最凶の災厄を巡る陰謀に巻き込まれていき――!?


第17回スニーカー大賞

第17回スニーカー大賞


彼女たちのメシがマズい100の理由 高野小鹿(受賞時ペンネーム:高野文具)

あらすじ
 一人暮らしの愛内葉介は、幼馴染みの胡桃沢ゆすらに食事の世話をしてもらうことに。ところが、ゆすらは恐るべき味音痴であり、「食えなくはないが、リアルにマズいメシ」に苦悩する日々を送ることになるのだが!?


選評
岩井恭平先生
 非常に読みやすく、幕間に特殊なアイデアを盛り込むなど、構成も面白かったです。可愛いけど衝撃的なヒロインたちに翻弄される主人公が、今後もっと個性的になることを期待します。



THORES柴本先生
 料理番組的な解説を挟むという構成は中々面白く丁寧ですが、主人公がただマズいを言うだけなのが残念です。肝心の料理をイラストにするには地味なので、そのマズさが見た目で伝わらないのは課題かと思います。


竹田靑滋 MBSプロデューサー
 料理下手の女子3人の極マズ料理に責め苛まれる男ひとり、マゾヒスティックな描写が快感に思えるほどいい感じでした。料理番組風の展開などは新しい試みで面白いのに、肝心の料理のマズい、うまいに関しての表現が淡白すぎてあっけないのは、非常にもったいない気がしました。幼馴染、碧眼の美少女などなど、興味深いキャラが満載なのに、それぞれの関係性を深められていないのは惜しいです。グルメものの描写力を鍛えて、再度正面からトライするべしと思いました。



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刊行時あらすじ
 愛内葉介の目下の悩み、それは毎日の食事! 料理研究家の母親がイギリスに旅立ち、俺は隣に住む幼なじみの香神紅緒に生活全般を世話になっている。成績優秀・品行方正おまけに献身的な彼女の問題は──作るメシがマズいこと。だがどうしても俺に「おいしい!」と言わせたいらしく……この幼なじみの料理が美味くなる日は来るのだろうか、ってホットサンドに苦みが欲しいからってバファリン入れるなっ!! 新感覚のリアル”メシマズ”ラブコメ!

裏ギリ少女 川崎中(受賞時ペンネーム:榎本中)

あらすじ
 ある朝、一ノ瀬は交通事故の瞬間を目撃する。だが、トラックに轢かれたはずの少女には傷ひとつなかった。その少女・春風幸は一ノ瀬のクラスの転校生だったのだが、彼女の周囲で次々と不可思議な現象が発生しはじめる。


選評
岩井恭平先生
 良くまとまった作品でした。ヒロインの意外な能力や怖いライバル、ラストの盛り上がりなど、設定や構成にそつがない。もっと派手な展開があれば、力のトンデモなさが強調されたと思います。



THORES柴本先生
 冒頭の衝撃的な映像がイラストとして浮かび、斬新な設定とタイトルからの期待感がありますが、全体的にあっさりした印象があります。アイデアは面白いので能力の斬新さや効果にもう少し工夫や意外性があると良くなるのではないかと思います。


竹田靑滋 MBSプロデューサー
 裏切るという単語のもつ語感がいいし、冒頭からスピード感のある展開は、読者をどんどん引き込んでくれます。美少女3人と主人公の男子とのかかわりが次々と繰り広げられて行くあたりは、読み進む楽しさがあります。
 裏切り体質という特異な能力を少女にもたせているのが、新しいのですが、好きな人に触れられないという悲しさをもっと強調するような掘り下げ方をすれば、今風な友情のあり方を提示できたのではと残念な気がしました。そうすれば、裏切るという言葉とは正反対の絆やつながるという感情に接続できて気持ちいい感情が描けたかもしれません。キャラの書き分けや読ませる話の運び方は達者なので、構成をもう一度改めてたたけば、もっと良くなる予感がします。



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刊行時あらすじ
 第17回スニーカー大賞《優秀賞》受賞作! 今は普通の高校生・小早川真春は、交通事故の現場で瀕死の少女に遭遇する。「この子はもう、助からない」彼女の手をそっと握りながら、そう思うしかなかった真春。しかし次の瞬間まさかの出来事が……。転入生として真春の前に再び現れたその少女・ゆずきが持つ特殊な体質に気づいた真春は、ゆずきを守ろうと決意する! 彼女に触れると神様のルールもひっくり返る!? ココロ“反転”ラブコメ!

僕の欲望ヒロインは手に負えない(受賞時タイトル:三次元への招待状) 天音マサキ

あらすじ
 おたく少年ヒイロに届いた"願いが叶う"手紙。いたずらと思いながら「二次元の彼女が欲しい!」と書いた翌日、まさに現実ではお目にかかれないような美少女が次々と現れ、告白され、ついには一緒に住むことになり!?


選評
岩井恭平先生
 アイデアが面白く、主人公が巻き込まれる嬉しさや葛藤も共感できました。登場人物たちのかけ合いも面白い。それだけにヒロインたちの行動やイベントに意外性が欲しかったところです。



THORES柴本先生
 王道キャラによるハーレムものですが、折角なので他の世界から来たキャラの経緯や背景はもう少し丁寧に描くと良いと思います。イベントの多さと見せ場の盛り上がり不足がありますので、整理してメインを強調し明確にすると良くなりそうです。


竹田靑滋 MBSプロデューサー
 バーチャルキャラが、具現化したらという妄想が現実になり、少女4人と一緒に住むという設定が楽しいし、マゾっ気満点な描写は大いに満足できます。世界の崩壊などという大上段に構えた設定もあるのですが、回収せずに終わるぐらいなら、そこへは行かない方が親切というものでは、と突っ込みたくなります。学園ものとしては、キャラもいいので生かし方と回収を工夫すれば続編も可能な気がしましたし、期待もできると思います。



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刊行時あらすじ
 第17回スニーカー大賞《特別賞》受賞! もし「あなたの願いを叶えます」って言われたら? オタクのヒイロが迷わず答えた「二次元の彼女が欲しい!」という欲望がいきなり実現! ゲーム、アニメ、ラノベなど二次元の世界から本当にヒロインたちがやってきた! 嘘でしょ今夜はハーレムか!? と思ったら、彼女たちの設定はそのままで──コレ、ヤバクナイ? 恋愛偏執少女にドジっ娘忍者に怪力百合娘!? ヒイロの欲望は崩壊寸前!


第16回スニーカー大賞

第16回スニーカー大賞


思春期サイコパス 井上悠宇

あらすじ
 大変困った幼なじみである麻川凜。"バラバラにする"ことに興味を持つ彼女とともに、総合パズル研究部に入った俺。だがそこで凜が、巷を騒がせているシリアルキラー・アドレスの残した暗号を解いてしまって――。


選評
安井健太郎先生
 ヒロインなどのキャラクターには魅力があったぶん、主人公が弱い。彼にもなにかしらのサイコな部分があってもよかった。



岩井恭平先生
 何をしでかすか分からないヒロインに際立った魅力を感じました。それだけにヒロイン以外のキャラクターが想像通りの行動をとったことが惜しい。タガが外れたキャラには、タガが外れたキャラをぶつけて欲しかった。


THORES柴本先生
 派手ではありませんが、どこか詩的な印象と丁寧な描写で安定感があり、個人的には選考作の中では高評価になりましたが、類似した既存作品もある事から、インパクトに欠けるのが実に残念な所です。謎解きのアドレスや数式は明確に表示した方が面白いと思います。

箱部~東高引きこもり同好会~ 小川博史

あらすじ
 東高校引きこもり同好会、通称"箱部"。主人公の下野は、養護教諭からその"箱部"の解体を頼まれる。解体ということは、箱の中にいる三人の部員を外に連れ出さなくてはいけないわけで――!!


選評
安井健太郎先生
 一番、アイデアが光ったのは作品だったが、出落ちの感が否めず、期待感が失速していった。箱、という題材にもっと執着して欲しかった。



岩井恭平先生
 箱部お目見えのシーンを、ぜひイラスト、贅沢を言えば動画で見たいと思いました。インパクトは随一。アイデアを活かす演出も上手い。ただ盛り上げ方と相対的に、事件の内容と解決の仕方が薄すぎました。


THORES柴本先生
 箱というガジェットそのもののインパクトは強でした。
 しかしその他は地味な印象で負けてしまっています。箱の中の人物はもっと個性的にして箱ももっと活かした方が良いと思いました。

恋は選挙と学園覇権!(受賞時タイトル:ポリティカル・スクール) 秋山大事(受賞時ペンネーム:足尾毛布)

あらすじ
 伝統的に生徒たちが派閥を作る校風がある、私立小出鞠学園。三派閥のうち「帯刀派」の中心人物である帯刀京香は、政治家の父を持ち、その手腕により数々の勝利をもたらしていた。そして今、部活棟の権利をめぐる、派閥闘争が開始される!


選評
安井健太郎先生
 以前、最終選考に残った著者の作品と比べて格段に筆力が上がっていた。敵役の弱さや物語の展開など、難も少なくないが、まだまだ伸びると思う。



岩井恭平先生
 一番もったいない作品だと感じました。政治的学校というテーマは面白いのに、常にヒロインが相手より賢く、敵対勢力を出し抜く工作に終始するのが残念。もっと燃える演出は他にいくらでもあるはず。


THORES柴本先生
 学園の中の派閥闘争を主体にした点や、キャラクターの個性などは面白いと思いました。しかし説明セリフの長さや、敵キャラクターの弱さなどが少々目立つのが残念な所です。



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刊行時あらすじ
 水仙学園に入学した僕、内藤勇へ留学中の幼なじみ・恋ヶ浜花凜から帰国の知らせがきた。家に誘ってみたら「勇。ウチにきてあげたから」となぜかウェディングドレス姿で!? そんな彼女は、執事(!?)である僕と高校生活を送りたいと海外から脱走したんだけど、有名な政治家の父親が難題を突きつけてきた!「選挙の盛んなこの学園で今すぐ生徒評議員に選ばれること!」んな無茶な!? 残念系天才少女と執事な僕の総選挙ラブコメ、開幕!

アル・グランデ・カーポ 亜能退人

あらすじ
 イタリアに本拠地を構えるマフィア、パルティエッツィ・ファミリーのドンの息子であるヴィノ。父親が倒れたとの知らせを受けて三年ぶりに故郷へ帰るが、実家で彼が目にしたのは暗殺された父親の死体だった――!?


選評
安井健太郎先生
 マフィアという題材を使いながらも、それを活かしきれなかった点が残念。ライトノベル、というジャンルを変に意識しないほうが、より面白くなったと思う。



岩井恭平先生
 マフィアのニヒルな格好良さと構成の丁寧さが目立ちました。きっと今後もそつのない小説を書けるであろう地力を感じます。その分、破天荒な演出、アイデアが少ないのが残念。


THORES柴本先生
 主人公の能力や心情の変化などが判り難く、敵もあっさりしていて説得力が無いのですが、最終選考作中、唯一の非学園で能力バトルものなので期待という意味で評価しました。
 しかしせっかくのマフィアものならば女の子ばかりではなく、もう少し男臭い感じの方が良かったと思います。

竹田靑滋 MBSプロデューサー 選評

 今回は、非常に読みやすい作品ばかりでした。ということは、あまり癖のないひっかかりの少ないものが多かったということにもなります。

 高校学園もの3本が最終選考に残り、優秀賞を受賞しました。ひきこもりの部活動を展開するもの、政治家の娘が部室の分捕り合戦で派閥活動を繰り広げるもの、サイコパスの少女に振り回される幼馴染みの草食系男子が主人公のものと3作品ありましたが、そのうちふたつに数学の先生や数式の話が出てきます。まったくの偶然なのですが、その扱いがやや安易というか、ゾンザイというのか、あまり意味がない使われ方で、もう少し丁寧に描いて欲しかったです。

 私の好きな映画で、ノーベル経済学賞を受けた老数学者のジョン・ナッシュを取り上げた「ビューティフル・マインド」というのがあり、そのメイキングのなかで、ロン・ハワード監督とプロデューサーのブライアン・グレイザーが、統合失調症に悩まされながら研究を続ける老ナッシュ博士を数式の書きなぐられた黒板を前にして質問攻めにするシーンがあります。ふたりの製作者がそれぞれデジカメを持って、矢継ぎ早に攻め立てるのですが、その様子を部屋の後方から動かないドキュメントのカメラがじっとりと記録していきます。痛々しい画面ですが、造る側の気迫がひしひしと伝わってくる凄まじいシーンです。数式というような映像化、文章化するのが難しいものに取り組むという際の覚悟みたいなものが感じられるのですが、ライトノベルの世界にも、そうした気概と迫力を持ち込んでもらいたい気がしました。

 優秀賞のもう1作品も、高校に本来無縁である派閥争いという面白いネタを持ち込んでおきながら、それを十分に政治力学の詳細な描写に昇華できずに終わっており、ややフラストレーションが溜まりました。さらに、ライトノベルのジャンルには、珍しくイタリアンマフィアものという挑戦的な課題に取り組んだ作品は、ザ・スニーカー賞を受賞しましたが、誰もが期待する映画「ゴッドファーザー」に出てくるような血の掟やファミリービジネスの過酷な舞台裏などがまったく描かれておらず、作品世界に深みが不足してしまいました。

 それぞれが持ち込んだアイデアや設定は非常に面白いのに、それを十二分に描ききっていないところに、物足りなさと惜しいなあという残念な思いが残りました。せっかく若い作家さんたちの溌剌とした個性が光っているのに、それをとことん楽しみつくすという姿勢があれば、もっと読ませる作品だったに違いありません。書いている本人が一番面白がっている空気が伝わってくれば、読む方はどんどん引き込まれるのです。

 ちなみに、ロンとブライアンのコンビが作った映画は、「スプラッシュ」「アポロ13」「バックドラフト」などすべて面白いのですが、それぞれが一人ずつになると、突然面白くないんです。やはり、どこかで妥協してしまうんですね。自分が面白いと思ったテーマは、最後まで超わがままに、偏執的に突き詰めていって欲しいと思った選考会でした。


第25回スニーカー大賞



総評

 カクヨムでの投稿開始から2年、投稿作品のジャンルは多岐にわたり、新人賞ならではの意欲的な作品も多くみられました。粗削りで、まだまだ読者の存在を意識しきれていなかったり、描きたいものを書き切る力が不足している作品が並ぶなか、第25回スニーカー大賞で特別賞を受賞したのは、2作品が最終選考に残った三上こた氏でした。
 その他の作品は、残念ながら、キャラクターや展開にレベルの高さを感じさせるものもあるものの「ライトノベル戦国時代を戦える強烈な個性とそれを仕上げる完成度」に欠けており、選出には至りませんでした。

 今回特別賞を受賞した「硝子の傭兵と空の騎士団」は空中に浮かぶ遺跡の謎に挑む最強の空挺騎士を描いたファンタジー作品。王道に挑み、カッコいい展開とクールで心躍る設定を活かすことができていました。
「君が好きな私が好き!~陰キャとナルシストの青春ロールプレイ~」は、学園ラブコメとして、ヒロインとの掛け合いと甘酸っぱい展開が高く評価されました。毛色の違う2作品を、共に魅力的に書く力量は確かなものがありました。
 王道ファンタジーと学園ラブコメ、ジャンルもキャラクターも全く違う2作品を高いレベルで仕上げた三上こた氏が今後描いていく作品にご期待ください!

 また、角川スニーカー文庫ではスニーカー大賞も応募を受付中です。魅力的なキャラクター、ワクワクするストーリー展開、そしてそれを読む読者をきちんと意識した高いレベルの作品が出てくるのを楽しみにお待ちしております!

型破り傭兵の天空遺跡攻略(受賞時タイトル:硝子の傭兵と空の騎士団) 三上こた

あらすじ
空の上にある、謎多き太古の遺跡。それは神が残したものだといわれている――。硝子を自在に操る❝最強の傭兵❞でありながら、トラブルメイカーの厄介者、アインハルト・ウィラー。その力に目を付けた騎士団“叡智の雫”に、副団長アリア・カートライトの部下として臨時で雇われることに。最強の名に恥じぬ活躍で遺跡の謎を解き明かしていくアインハルトだったが、思わぬ強敵に遭遇し全滅の危機に瀕し……!
「俺は俺の仕事をこなすだけだ」
その経験と知恵で絶望的な危機をも乗り越えていく! 無敵の傭兵が謎多き空を攻略する最強ヒロイックファンタジー!




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刊行時あらすじ
 人智を超えた技術の獲得のため、天空に浮かぶ太古の遺跡を攻略する空挺騎士団。その一つ“叡智の雫ウィズダム・ドロップ”に、副団長アリアの部下として雇われた“歴戦の傭兵”アインハルト。
 その名に恥じぬ活躍で、遺跡を守護する偽神デミゴッドをねじ伏せ、罠を解き明かしていくアインハルトだったが、超技術の大国すら滅ぼした驚異的な強さの偽神に遭遇し全滅の危機に瀕し……!
「ここは任せな。俺は俺の仕事をこなすだけだ」
 どんな窮地であろうと仲間の命は護り抜く型破りの傭兵が、百戦錬磨の経験と知識を武器に、謎に満ちた空を翔け巡る!
特別賞受賞のヒロイックファンタジー、ここに開幕!

特設ページ

とってもカワイイ私と付き合ってよ!(受賞時タイトル:君が好きな私が好き!~陰キャとナルシストの青春ロールプレイ~) 三上こた

あらすじ
無類のRPG好きな陰キャ・和泉大和は、クラス一のリア充女子・七峰結朱から奇妙な告白を受けた。それはリア充過ぎる故の恋愛トラブル解決のために、ダサい彼氏が必要だから付き合って欲しいというものだった。報酬として喉から手が出るほど欲しいプレミア付きのRPGを提示され、不本意ながら付き合うことになり!? 
割り切った関係で済ませるはずだったのに、徐々に居心地がよくなっていき――。
陰キャとリア充。全く違う2人の❝偽物カップル❞青春ロールプレイ開始!





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刊行時あらすじ
 一人気ままな生活を謳歌する俺が、クラスいちの人気者七峰結朱から受けた突然の告白。それはリア充グループの三角関係解決のため恋人のふりをして欲しいというものだった! 報酬のプレミア付きゲームにつられ、俺はしぶしぶ了承したのだが…。
「ほらほら、可愛い彼女の元気な笑顔が見られて嬉しい?」
 教室では猫を被る結朱が俺の前でだけ見せる、ナルシスト全開の言動はウザい。…はずなのにどこか心地よく、二人っきりで過ごす時間は日常を彩り、生活の一部に溶け込んでいき――。
 陰キャオタクとリア充ナルシスト。趣味も性格もまるで違う二人の"偽物カップル"から始まる、ナルかわ青春ラブコメ!

特設ページ