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過去の大賞情報

第31回スニーカー大賞


総評

第31回スニーカー大賞にご応募くださった全ての皆様に、心より御礼申し上げます。
今回も、一作ごとに込められた膨大な熱量と向き合い、編集部内で幾度も議論を重ねてまいりました。
その時間が、私たちにとっても物語の可能性を信じる大切な時間であったことを、まずはお伝えいたします。

その上で、本年の審査結果は、昨年に続き「受賞者ナシ」とさせていただきました。

2年連続というこの重い結果を前に、私たちは今、深く自問しています。
「私たちは今、時代の先頭を走る新人賞として、正しく在れているだろうか」と。

応募作の中に、光る才能や書きたいという切実な意志は、確かに存在していました。
それにもかかわらず「受賞に至らない」という決断を重ねたとき、その責任の一端は、応募者の皆様ではなく、私たち編集部にあると考えています。
時代の変化を見極め、才能を正しく導き、読者の元へ届ける。その「賞」としての機能が、今の時代に最適化されているのか。
編集部自身が、その在り方と向き合う時に来ています。

スニーカー文庫はこれまで偉大なクリエイターと共に、数多くの金字塔となる名作を世に送り出してきました。
読者の心を震わせ、文化の景色を変えてしまうような物語の力を、私たちは誰よりも知っています。
その誇りと経験があるからこそ、私たちは新人賞という場所に、もう一度、全力を注ぐことを決めました。
「今、新しい才能を世に放つとは、どういうことか」。
現在、編集部では賞の意味と選考基準を根本から再定義する議論を進めています。
私たちが何を渇望し、どのような物語と共に世界へ挑みたいのか。
その意志を明確なメッセージとして発信し、新人賞を刷新いたします。

書き続けてくださる皆様へ。
皆様が紡ぐその物語を、どうか諦めないでください。
スニーカー文庫編集部は今、かつてないほどの覚悟で、あなたの物語を待っています。

スニーカー文庫編集部 編集長


第30回スニーカー大賞



総評

第30回スニーカー大賞にご応募くださった全ての皆様に、まずは心より御礼申し上げます。
今年も非常に多くの作品に触れ、熱意あふれる物語の数々に出会えたことは、編集部にとってかけがえのない時間となりました。

30回という節目の開催となった今回、編集部は改めて「今この時代に、スニーカー文庫が新たに世に送り出すべき作品とは何か?」を徹底的に議論しました。
その中で出た結論は、非常に悩ましいものでありながらも、誠実な判断であったと信じています。
本年の審査結果は「受賞者ナシ」とさせていただきました。

今回、編集部が掲げていたのは「キャッチーで、読み始めた瞬間に惹き込まれる、強烈な魅力を持つ作品」との出会いでした。
決して「完成度」だけではなく、「この物語を今、読者に届けたい」と思えるような決定的な何かを探していたのです。
しかしながら本年は、最終候補に挙がった作品のいくつかが高いポテンシャルを持っていたものの、その「あと一歩」がどうしても届かない――そんな年でした。

だからこそ、編集部は妥協をせず、あえて“選ばない”という選択を取りました。
それは、応募者の皆様の努力や才能を否定するものではなく、むしろ「次こそは、心から賞を贈りたい」と願うからこその決断です。

スニーカー文庫は今、国内だけでなく海外へも作品を届けるレーベルとして変化を遂げています。
読者の目は厳しく、そして嗜好はますます多様化しています。
こうした時代において「今すぐに読みたい!」と思わせる魅力を持った作品との出会いが、何よりも求められていると私たちは考えています。

現在開催中の第31回スニーカー大賞では、改めて「貴方にしか書けない、そして多くの人に届く物語」をお待ちしています。
悔しさをバネにした再挑戦も、新たな決意での初挑戦も、どちらも大歓迎です。
スニーカー文庫編集部は、いつの時代も変わらず、物語を愛するあなたの挑戦を心から応援しています。

スニーカー文庫編集部 編集長


第29回スニーカー大賞



総評

第29回スニーカー大賞は変わらず多くの執筆者様より作品をご応募をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
ライトノベルは一昔前と比べてジャンルの幅が狭まっている、というご意見を目にすることもありますが、
スニーカー大賞応募作においては流行を追いかけたというより執筆者の個性が前面に出た作品を多数拝読することが出来ました。
「貴方にしか書けない物語」これは言うまでもなく素晴らしいことであり、長きに渡って編集部が応募作に求め続けてきたことです。

ただ、一つ今の時代に新たなことを申し上げるならば、編集部は今「キャッチーな作品」を求めています。
様々な娯楽が無料で享受出来てしまう時代にあって、読者に作品を読んで貰うことのハードルが年々高まっていることは想像に難くありません。
だからこそタイトルを見ただけでワクワクしてしまうような、ありそうでなかった企画性。
あらすじを見た際に「これは読まない訳にはいかない!」と読者に思わせる吸引力。
スニーカー大賞ではそういったキャッチーさを備えた作品との出会いを強く求めています。

現在スニーカー文庫より刊行された作品は国内でヒットすれば漫画化され、翻訳出版され、そして映像化されれば世界中の国で配信されます。
こうした時代にあって編集部は今、日本国内のみならず世界を熱狂させる作品との出会いを願ってやみません。

現在開催中の第30回スニーカー大賞でも、この大きな夢を共に追い求めていただける作家様からの熱いご応募をお待ちしております。

スニーカー文庫編集部 編集長

女装の麗人はかく生きたり

ここは聖霊が支配する国家。「人間の男」という最も低い身分にあるリオは、エルフのディアに仕え、女装の麗人として闘技者の日々を送っていた。ある日、上位種の議会で人間を統治する法案が提出され、世界は大きく動き始める!これは奴隷の少年が仲間とともに未来をつかみ取る活躍譚。

選評

まず導入として、エルフやヴァンパイアなどの種族が登場する世界の風景や、その世界で生き抜くリオの様子が鮮やかに提示され、筆力の高さが伺えます。
そして、高位種族たちが奴隷身分である人間をどのように考え扱っていくかを巡って物語は進行していきます。リオを始めとした数多くの登場人物それぞれの思惑が絡んだストーリーラインと、その結末の描き方も非常に水準が高いものでありました。
一方でタイトルにある「女装」など、作中での活用が薄く、設定としてまだまだ伸びしろを残している部分もいくつか見受けられました。
これらの点から、本作は《銀賞》の受賞となりました。大変ポテンシャルの高い作品ですので、その力を最大限にして皆様にお届けできることを楽しみにしております!

僕はライトノベルの主人公

ぼっち高校生・手塚公人は『メインヒロイン』の名乗る文武両道の美少女・高嶺千尋に迫られていた。千尋曰く公人は『この世界の主人公』らしい。馬鹿馬鹿しいと思いつつ彼女に振り回されていると、不意に手に入れたある本に“自分が主人公の物語”が記されていて――メタフィクションラブコメディ。

選評

美少女に見初められて、自称付喪神、自称魔女、自称超能力者など、奇人変人たちの集まりに参加させられる。それをきっかけに主人公は不可思議な出来事に巻き込まれ……二章までのあらすじは一昔前のラノベあるあるを煮詰めたような世界観は、三章になって一気に展開します。主人公は、今まさに自分たちが紡がれている最中の物語を手渡され「この物語を完成に導く」という役目を担い、読者が読み進めるのと同時並行するように物語が紡がれていく。盛大なメタ作品として最後まで描き切っていました。
メタを取り入れた作品は、スニーカー大賞にご応募くださる作品の中で毎年何点かは拝読していますが、その中でもここまで徹頭徹尾やり切ったメタ作品は珍しく、一度読み終わった後にもう一度頭から読み直したくなる魅力がありました。
もちろん、劇中で若干持て余したらしきキャラクターなど粗削りなところはありますが、メタフィクションとして描き切る筆力は素晴らしく、また、メタ作品としてだけでなく若干頭打ちになっているラブコメディジャンルの新天地を読者に提示できる作品になると思います。読者の皆様にもこの作品を楽しんでいただけるのが、今から楽しみです!


第27回スニーカー大賞





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