ムシウタ

「ムシウタ」完結記念! 岩井恭平スペシャルインタビュー掲載!!

最高で最悪のボーイ・ミーツ・ガール その秘密が明かされる!

ファン必読のスペシャルインタビューを大公開!! 2003年5月の刊行以来、多くのファンに愛されてきた「ムシウタ」。スピンオフもあわせると全24冊もの長大なシリーズとなった本作が、この2014年5月1日発売の『ムシウタ 15.夢謳う虫たち(下)』でついに完結を迎えた。この大ヒットシリーズの誕生の裏にはどんな秘密があったのか、そして岩井恭平と「ムシウタ」シリーズの歩んできた11年とは!?

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KYOHEI IWAI SPECIAL INTERVIEW

――この度は、「ムシウタ」完結おめでとうございます!! 今回は長らく「ムシウタ」シリーズを応援してくださったファンの皆様への感謝を込めて、作者である岩井さんの特別インタビューを掲載させていただければと思います。本日は宜しく御願いいたします!

 よろしくお願いします。あらたまってインタビューとなると気恥ずかしいですね(笑)。でもせっかくの機会なので答えられるものは何でも答えられたらと思います。どうかお手柔らかに。

――では、早速。まずはデビュー当時のことをお伺いしても宜しいでしょうか? 岩井さんの学生時代のお話とか。

 デビュー当時は、とにかくデビューしたい!の一心でしたね。朝早く起きるのが苦手で、マンガ好きで、でも絵が下手くそで……ということで、物書きしかない!と偏見と夢をこじらせた結果、就職活動と同時期に書き始めました(苦笑)。そのために大学に通いながら、当時まだ一般化し始めたばかりのインターネットで必死に仲間を作って小説の新人賞の情報集めて互いの感想を出し合ったりしました。それでも駄目だったので、大学四年生の時に最後の一年のつもりでわざと留年したりしました。冗談ではなく良い子は真似してはいけないダメ学生の見本ですね……ホント。色んな人たちに迷惑をかけてダメだったら諦めるつもりで、その後は就職活動をし直して電気設備関連の会社に就職して……その新人研修の一環で自衛隊体験入隊(笑)してる時に受賞のお知らせを受けました。最後の一年に書いて応募したヤツです。

――自衛隊! もしや、その経験がムシウタに活かされたのでは、とつい想像してみたくなりますね! その頃には、ご家族の方は岩井さんが小説を執筆されていることをご存知だったのですか? 最初に打ち明けたときはどういう反応があったのでしょう?

 両親に打ち明けたのは、いまお話した留年の時ですね。大学四年生の時。実家に帰って「小説を書いてる。最後の一年にやれることを全てやりたいからもう一年だけ学生でいさせてくれ」と打ち明けました。生活費は奨学金とバイトでなんとかなるとしても授業料を貸してくれ、と。就職活動もちゃんとやるから、と。両親は不安と心配しかなかったでしょうが、分かったと言ってくれました。数ヶ月後に翌年の就職先の内定をもらったことを報告した時は、だいぶ安心した様子でしたね。

――そこにも知られざるドラマがあったんですね。なんだか、いきなりプライベートなお話から入ってしまいすいません(汗)。ではいよいよ「ムシウタ」についてのお話を伺ってまいります。「ムシウタ」はデビューシリーズである「消閑の挑戦者」と並行して立ち上がったシリーズですよね? そもそもどういう経緯で企画が立ち上がったのでしょうか?

 デビュー作は内容が小難しいだけに連続刊行が難しいだろう、ということで当時の担当さんから別シリーズもやろうという提案をいただきました。ぼくとしても書けるものなら何でも書きたかったので、投稿時代に構想していたムシウタを出してブラッシュアップしていただいた次第です。タイトルから設定に到るまで色々なものが変わったけど、なぜかゴーグルという装備については譲れなかったことを覚えてます(笑)。

――イラストレーターのるろおさんについてはどうですか?

 はじめてイラストを拝見した時は、「好みの絵柄に当たってラッキー!」だとアホみたいな感想を抱いておりました。実際アホで、その後お付き合いさせていただいていくうちに、ラッキーどころではないことを悟りました。とにかく登場人物が多い、締め切りの切迫がひどい、内容修正が多い、というひどい作者のしわ寄せがいっても、お会いする度に笑顔で接してくださる菩薩のような方です。実際のイラストでも、原稿を書いている途中にいただくラフ案などを元にキャラが固まることもありました。特に土師千莉、菰之村茶深、獅子堂戌子あたりがそうですね。またエンターテインメント関連の知識が広く、たくさんの面白いお話を聞かせてくださる方でもあります。色々な面でお世話になりまくっているので、心から感謝しております。

――本当に、「ムシウタ」のもう一人の作者として、るろおさんの存在は偉大ですよね。そんな「ムシウタ」ですが、2003年5月に第1巻が刊行され、完結するまでぴったり11年でした。その間、担当が何度か代わってますが、各担当とのあいだで特に印象的な思い出などはありますか?

 初代の担当さんは、デビュー時に担当していただいた方なので、もちろん拾っていただいたことと育てていただいたことのご恩があります。しかし印象的というか恩を仇で返したのは、入稿時に原稿の代わりに適当に買った雑誌を封筒に入れて提出したことですね。もちろん本物の原稿も直後に提出した上での悪戯だったのですが……なんであんなことをして心からワクワクしてたのか、当時の自分のメンタルが想像つきません。二代目の担当さんは「ムシウタbug」の連載を担当していただいたことから始まって、後に本編もお世話になるようになりました。ネタ切れに喘いでいた最も苦しい時にお世話になっていた印象です。その分、ご面倒もおかけしていたわけですが……書き続けていく上で多くのサポートをしていただけたからこそ、ムシウタが続いたと言えます。三代目の担当さんは最終巻ではじめてタッグを組ませていただいたので、これからもお世話になれればいいなと思います。大丈夫、もう悪戯を仕掛けたりはしません。

――個人的には岩井さんが仕掛ける悪戯というのが想像つかないので、むしろ期待しちゃいますが(笑)では次に、「ムシウタ」シリーズは多数の魅力的なキャラクターが登場しますが、こういった群像劇的な物語というのは最初から構想されていたのですか?

 ムシウタは毎巻、主人公を変えていきたかったのですが、担当さんに諫められて現状のような形になっております。いただく感想の多くが「もっと主人公を出して!」なので、作者がワガママ言ってる状態ですね。単にたくさん登場人物を出したいというだけかも。テーマ的には「夢」を扱うことは当然として、毎巻違う夢を扱っていきたいという構想はあったので、そのせいかもしれません。どんな思いを抱いた登場人物だとしても、やっぱり主観で描かれているほうが感情移入できるし面白いですしね。

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