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スニーカー大賞

スニーカー大賞 秋の選考 結果発表!

優秀賞 ソウルシンクロマシン 十蔵

特別賞 押忍!! かたれ部 喜多見かなた

総評&あらすじ

今回、最終選考に残った作品は、SFロボット・戦闘メカものであったり、あるいは強烈なインパクトで物語が始まる独特な設定であったりと、今のライトノベル市場の流行や売れ筋を意識した内容だと感じました。その中で、より高いクオリティに仕上がっていた2作品の受賞となりました。

戦え! 武藤さん グラン@こやん

学校一の美少女・武藤フアに呼び出された石神は、フアから自分は魔法使いだと明かされ、従者として仮契約してしまう。しかし、魔力を吸われて疲労困憊になったり、魔法ステッキに変化させられ悪魔とバトルするなど、過酷な従者生活がはじまる。

文章はテンポがあって読みやすく、ヒロインも可愛く描こうという努力が伝わります。ライトノベルらしい要素はありましたが、本作ならではのアイデアがもっと欲しいという声が多数。物語もプロローグのような形で終わっておりマイナス点でした。

Hysteric  GUARDIANS 冬里樹一

宇宙の知的生命体集団『バルディアーク』に抗戦すべく、人類は『GUARDIAN』を組織する。早峰朝人は、複座式人型兵器「ネメシス」のパイロット候補生として、友人や自分に好意を寄せるミコトと共に、日々の訓練に励むのだが――。

キャラクターは、女の子だけでなく主人公の友人たちも個性がでていました。ストーリーにも安定感があったのですが、盛り上がるシーンや転機となるシーンの演出が弱い点を指摘されました。物語の起伏をしっかり感じさせるのも重要です。

ソウルシンクロマシン 十蔵

個人用兵器「ソウルシンクロマシン」が普及し、そのバトルがショーになった時代。メカニックとして養成学校に入った本丸は、天才的パイロットの蘭と出会う。反りが合わないふたりだったが、公式戦でライバルと戦うためにコンビを組む。

ストーリー運び、まとめ方に評価が集まりました。また女性キャラクターを魅力的に描く熱心さも伝わります。ただ、肝心のヒロインの好感度が低いのがもったいない。また既存作品に近しい部分もあるので、新しいアイデアが欲しかったところです。

軍師さん、ヴァルキリーがお呼びです。 佐藤晴彦

戦略ゲームオタクの裕也は、女子生徒の宇野に殺されてしまう。目が覚めると、そこはヴァルハラだった。宇野はヴァルキリーで、自分のチームが参加する戦争ゲームの軍師として裕也を招いたのだ。裕也のおかげで宇野のチームは連勝しはじめる。

冒頭は引き込まれる描き方が出来ていたのですが、設定のせいかバトルの緊迫感がなく、戦術ものとしての弱さを指摘されました。女性キャラクターも複数登場するものの、描写が足りないので、それぞれの魅力が伝わりませんでした。

押忍!! かたれ部 喜多見かなた

気が弱く、友達もいない鬼山拳は、高校入学を機に自分を変えようと、空手部の入部を決意。ところが、勘違いから「かたれ部」に入ってしまう。しかし、一対一で自分の「痛さ」を語り、競い合うこの部活では、拳はスーパールーキーとして歓迎される。

独自のネタをコンセプトに、学園青春ものらしい仕上がりになっていました。キャラクターの個性も際立たせていたと思います。主人公の心理描写は丁寧なものの、物語展開に驚きや意外性が乏しく、全体的に大人しい印象になっていました。

ボクが防具になる理由 千木良さと

女性恐怖症の"ボク"が、ある朝目覚めると、見たこともない戦闘系美少女の"防具"になっていた。乙姫と名乗るその美少女のせいで、防具に変態して合身する能力を得たらしい。そして彼女を狙う存在が現れるたびに変態することになるが――。

バカバカしさとしては飛び抜けており、女性キャラもバラエティに富んでいたので前半は楽しく読めました。しかし、コメディとして最後まで続かず、後半の展開ではその魅力を失っており、残念ながらマイナスの評価になってしまいました。